居室や寝室は、たえず風・寒・暑・湿の邪気(そとからのからだを壊す因子のこと)
を防ぐように努めること。風や寒暑はひとの身体を痛めることが、烈しくて早い。
これに対して湿は、ひとの身体をそこなうこと(病気にさせる力)がおそくて深い。
風・寒・暑はひとが恐れるが、湿気はこわがらない。ところが湿に当たると底深く身体に
入りこんできて、容易に治らない。
湿気に当たって病気になり、あるいは疫病(伝染病)になることもあるから、
恐れなければならない。
また酒や茶や湯水を多く飲まないようにし、瓜・果物・冷たい麺類を多くとらぬようにする。
これらはすべて内湿を防ぐためである。夏期向かって冷水を多く飲み、冷たい麺をしばしば
食べると、かならず内湿によってそこなわれ、痰瘧(おこり・熱病)や泄痢(下痢)になる。
大いに用心するがよい。
あらかじめ風・寒・暑・湿をよく防いでおかなければいけない。
(春の余寒)